院長からのご挨拶　

当院は多摩ニュータウンの東、豊かな自然に囲まれた稲城の小高い丘に建っており、晴れた日には富士山や都心を一望することができます。この恵まれた環境のなかで、私たちはつねに地域の方々のニーズに応え、患者さんにやさしい医療を提供すべく、職員が一丸となって診療活動を行っています。
現代社会は多様化し、さまざまなストレスに満ち溢れています。不眠、ストレス障害、うつ病、統合失調症などさまざまな「こころの病」がありますが、同じ病気でも抱えている悩みはひとりひとり違います。当院では、精神療法、薬物療法、作業療法、SST（生活技能訓練）などから適切な治療法を組み合わせ、あくまでも個別性を重視して、その人にとっての「こころの健康」が得られるようにお手伝いいたします。
日本は今、超高齢化社会への道を辿っています。当院は東京都より認知症疾患治療センターの指定を受けており、地域における認知症医療の中核を担っています。回復期リハビリテーション病棟と内科療養病棟を併設していることも特長であり、急性期での治療を終えられてもまだ退院が困難な患者さんをお引き受けして、地域へと橋渡しをする役割を果たしています。
退院されたあとも訪問看護ステーション、デイケア、老人保健施設、居宅介護支援事業所などと連携しながら、地域での生活を支援しています。何よりも安心して治療に臨めるように、私たちは外来、入院から退院後のケアに至るまで、一貫してとぎれなく患者さんならびにご家族を支えます。
精神医学（psychiatry）とはもともと、「精神を癒やす」ではなく、「精神で癒やす」ことを意味しています。その名のとおり、心の病だけではなく、からだの病をも「心をもって」癒やすことのできる精神科病院を当院は目指しています。

院長　永野満